植物や動物、鉱物などから取れる油。私たちの暮らしの中でも、とても重要で欠かせない存在ですよね。しかし、天ぷらや揚げ物などに使用した油(廃食油)は、ずっと使用できるものではありません。いつかは、なんらかの方法で処理しなくてはいけなくなるでしょう。そこで今回は、使用後の油についてピックアップしました。廃食油の現状と排水するとどうなるのか、それを踏まえて今後私たちは家庭でどんな対策ができるのかなどを考えていきます。
私たちが住んでいる日本では年間約230万トンの食用油が消費され、その後約45万トンが廃食油になります。廃食油のほとんどはレストランや食品製造工場などから排出されますが、それらは業者によって回収され新たな資源として生まれ変わっているのです。では、家庭から出る廃食油はどうでしょうか。環境省が過去に調査した資料によると、家庭から出た廃食油は排水として一緒に流されることも多いよう。もちろん、他の処理方法を行っている方もたくさんいますが、回収されることは少ないそうです。こうして見てみると、事業系の廃食油よりも家庭から出る廃食油の方が問題かもしれませんね。では、家庭から出る油や調味料などを台所から排出するとどうなるのでしょうか。
まず知ってもらいたいのが、「生物化学的酸素要求量(BOD)」というもの。汚水処理における重要な指標の一つで、水中にある有機物を微生物が分解する際に消費する酸素の量のことを言います。例えば、てんぷら油500mlを台所で流すとBODは1,000,000mg/lになります。これをコイやフナが住めるような水にするためには、99,000Lのきれいな水が必要になるのです。
台所から油や調味料を排水した場合、排水口の詰まりの原因になったり、処理場へ流れ込んで水処理に悪影響を与えたりします。汚れた水を浄化処理するには電力を使用するので、エコの観点から見ても決してよくありません。万が一、廃食油が川や海に流れ込んでしまった場合は、分解しきれなかった油分が徐々に酸化していきます。酸化した油は水中の酸素を消費し、生物に悪影響を及ぼします。また、一部はオイルボールとなり悪臭を放つのです。したがって、油や調味料などは台所から排水しないことがベスト!また、下水道に流しても同じことなので正しい方法で処理を行いましょう。
家庭でできる廃食油汚染対策、それは再利用したり正しい方法で処理したりすることです。再利用は次回揚げ物をするときにそのまま使用したり、濾してから他の料理に使用したりすることで叶うでしょう。廃食油の正しい処理方法は、以下の4つ。それぞれポイント解説しながらご紹介します。
川の水質汚染の原因の7割が家庭から出る生活排水。私たち一人一人がちょっと工夫するだけで、川の水質汚染を止めることができます。正しい処理方法を身につけたり、自治体や業者などに廃食油を回収してもらったりして対策を行っていきましょう。
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