オーガニックコットンと聞くと、「肌にやさしい」「環境によい」といったイメージが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
マスクやパジャマ、ベビー用品など、さまざまなオーガニックコットン製品が販売されていますが、実は、オーガニックコットンも普通のコットンも、肌へのやさしさは、あまり変わらないんです。
それなら、なぜオーガニックコットン製品は普通のコットン製品に比べて高価なのでしょうか?
そこで今回は、オーガニックコットンの特徴やおすすめの理由、普通のコットンとの違いをご紹介します。オーガニックコットンがエシカル(論理的)な素材とされる理由も、正しく知っていきましょう!
そもそもオーガニックコットンとはどのようなものでしょうか?
・厳しい基準をクリアして認定された貴重なコットン
オーガニックコットンとは、厳しいオーガニック農法(有機栽培)の基準を守り生産された綿花です。
以下のような基準を満たし、世界各国の認証機関の認定を受けなければいけません。
・化学薬品による環境・健康への負荷を最小限まで抑えている
・児童労働を禁止している
・労働者の健康や安全に配慮している
これらの厳しい基準をクリアして、認証機関からオーガニック認定を受けた綿花だけが「オーガニックコットン」と表示できます。
・肌へのやさしさは普通のコットンと変わらない
実は、オーガニックコットンも普通のコットンも、肌へのやさしさに大きな違いありません。また、製品の段階では、農薬の影響も低いとされています。
「肌触りも変わらず、農薬の影響もあまりないなら、安い綿製品を買ったほうがよいのでは?」と思われる方もいるでしょう。オーガニックコットンを選ぶ本当のメリットは、ほかにもあるのです。次項で詳しく紹介しましょう。
オーガニックコットンのメリットは、大きく分けて2つ挙げられます。1つずつ解説していきましょう。
・環境にやさしい
1つ目は、オーガニックコットンは自然環境にやさしい素材である、ということです。
一般的なコットンは、栽培の手間を減らすために多くの化学肥料や農薬を使います。一方、オーガニックコットンの栽培で使われるのは、草木灰・家畜の糞・米ぬかなどを使った有機肥料で、農薬や除草剤は使いません。
オーガニックコットンの栽培は、普通のコットンに比べて土壌や水質の汚染が少なく、環境にやさしい栽培方法といえます。
・作り手にやさしい
2つ目は、環境だけでなく、作り手にもやさしいという点です。
世界のコットン農家の中には、子どもたちが学校にも通えず、労働者として農作業に駆り出されている現状があります。また、農薬は環境だけでなく、人体に悪影響を与えることも。こうした綿の栽培の現状は、発展途上国での人権問題の1つです。
オーガニックコットンの認定基準には「児童労働の禁止」も含まれています。オーガニックコットン製品を選ぶことで、子ども達を児童労働や農薬被害から保護することにも繋がるのです。
このように、オーガニックコットンは環境にも人にもやさしい素材であるため、エシカルだといえるでしょう。
オーガニックコットンのデメリットは、生地が厚めで乾きにくいことなどのほかに、普通のコットンに比べて高価なことが挙げられます。なぜなら、害虫駆除剤を使わないオーガニック農法は、害虫に弱い綿花を育てるのに手間がかかるからです。
オーガニックコットンの年間生産量は、世界中で採れる綿花のうち、わずか1%ほど。流通量が少ないため希少価値が高く、普通のコットン製品に比べて高価となる傾向にあります。
しかし、オーガニックコットンの価値が伝わり、普及が進めば、オーガニックコットンと普通のコットンの価格差がなくなる可能性も。そのため、日本でも、さまざまな企業でオーガニックコットン普及のための取り組みが行われています。
例えば、衣料品メーカー「オーガビッツ」では、自社製品が1枚購入されるたびに1円を寄付。寄付金は、インドのオーガニックコットン農家支援に役立てています。
オーガニックコットンの特徴や、普通のコットンとの違いをご紹介しました。オーガニックコットンは環境だけでなく、作り手にも配慮されたエシカルな素材です。衣類や小物を選ぶときは、オーガニックコットン素材のものをぜひ選択肢に入れてみてくださいね。
記事を作成・監修したマイスター
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