2015年に国連サミットで採択された「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsの採択以降、世界中で脱プラスチックが叫ばれている2022年。日本でも、さまざまな企業で脱プラスチック化に向けて商品開発が進められています。今回は、脱プラスチックの必要性やプラスチックが与える環境被害の現状に加え、新発売の脱プラスチック製品を3種類紹介します。地球の環境保全に向けて、環境を破壊する原因を知り、環境にやさしい商品を使うところから始めてみませんか?
プラスチックは軽さと丈夫さにプラスして加工がしやすいため、ストローや洗剤の容器、おもちゃなど、私たちの身の回りの多くの製品にはプラスチックが使われています。プラスチックは自然界の力で分解できないため、環境破壊を招く要因のひとつになっているのも事実です。
2015年の国連サミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されて以降、世界が環境保全に対して意識を高めている2022年現在。日本のみならず、世界中で環境破壊を助長するプラスチック製品を減らしていこうという脱プラスチック化が進められているのです。
捨てられたプラスチックが引き起こす環境被害を3つ紹介します。
1.海洋汚染
適切に処理されなかったプラスチックの多くは海に流れ着き、紫外線や波の影響を受け大きさ5mm以下のマイクロプラスチックになります。このマイクロプラスチックは、海や海の生物、ひいては人にとっても大きな悪影響を及ぼします。
マイクロプラスチックはとても小さいため魚が食べてしまい、プラスチックに含まれる有害物質により魚が摂食障害や炎症反応を起こすといわれています。その有害物質を含んだ魚を私たち人間が食べることで、人の健康被害も引き起こしかねないのです。
プラスチック製品のポイ捨ては、決してしてはいけないということを肝に銘じておく必要がありますね。
2.土壌汚染
不要になったプラスチック製品は、多くをエネルギーやリサイクルなどで有効利用できる一方で、焼却や埋立てで処理されているものもあります。プラスチックの中には鉛を使用しているものがあるため、プラスチックを土に埋めたまま長い月日が経つと、土の中の化学物質や水分とプラスチックが反応して、有害物質が発生するなどの土壌汚染が懸念されています。
3.地球温暖化
近年の研究で、プラスチック廃棄物は太陽光にさらされるとメタンとエチレンを放出することがわかりました。メタンといえば、強力な温室効果ガスとしてよく知られている気体です。街にポイ捨てされたプラスチックが地球温暖化の要因の1つになっているとは驚きですね。
ここで、脱プラスチック化を果たした商品を3つ紹介します。
・貝印の紙カミソリ
キッチングッズなどでお馴染みの貝印から、世界初となる「紙カミソリ」が発売されました。プラスチックを98%カットし、ほぼ紙と金属で作られています。約3mmという薄い本体と、重さ4gの軽さが魅力。1回使い切りタイプなので衛生的です。
・お米からできた歯ブラシ
愛媛県松前町の企業が、食用に適さなかった廃棄されるお米を使用したバイオマス歯ブラシを開発しました。通常歯ブラシの持ち手の部分はプラスチックが使われていますが、お米からできた歯ブラシには持ち手に35%食用以外のお米を使用しています。
ホテルや旅館のアメニティグッズとして開発され、お米が使われた歯ブラシは業界初なのだとか。脱プラスチックとフードロスを兼ね揃えたエコグッズですね。
・ローソンの紙パック入りミネラルウォーター
2021年11月にローソンから、紙パックナチュラルウォーターを製造している「ハバリーズ」と共同開発した「紙パック入りミネラルウォーター」が発売されました。同容量のペットボトルと比べると、約56%のプラスチックが削減できています。
環境を考えているだけではなく、佐賀県鹿島市浜町で採取された中軟水のため飲みやすく、330mlの持ちやすいサイズ、アルミつきの紙容器なので長期常温保存が可能というたくさんのメリットがあるミネラルウォーターです。
プラスチック製品は便利な反面、海や土地を汚し、地球温暖化の原因にもなる可能性があります。SDGsの観点から見ても、プラスチック製品は減少していかなければならないでしょう。紙カミソリや紙パック入りミネラルウォーターなど、私たちの身近なところからも脱プラスチック化は始まっています。ぜひ、脱プラスチック化製品を手に取るところから始めてみませんか?
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