お得でエコな取り組み！フードロス対策自販機をご存じですか？

フードロスとは、本来まだ食べられるのに、食べ残しや売れ残り、賞味期限が間近という理由などで捨てられてしまう食品のこと。日本でもまだ食べられる食品が年間570万トンも廃棄されているのだとか。もったいないだけでなく、環境にも悪影響を与えています。そんな中、フードロス削減に向けて自治体や企業などが、さまざまな取り組みを行っているのをご存じですか？その取り組みの中でも、今回はお得に商品を買えてエコにも貢献できる「フードロス対策自販機」について紹介します。

フードロスがもたらす影響とは？

日本でのフードロスは年間570万トンと推定されています。その中でも会社や店舗、公共施設などの事業活動において出るフードロスの発生量は約309万トン。全体のフードロスの半分以上を占めています。
原因は、製品工程でのロスや売れ残り、納品期限切れや破損、食べ残しなど。これらは本来まだ食べられる食品。それなのに廃棄されているなんてもったいないですね。
また、環境問題にも影響が。多くのフードロスを廃棄するには、ごみ処理に多額のコストがかかります。また燃えるごみとして燃やすことで、二酸化炭素の排出や焼却する際に出た灰の埋め立て処理などの問題も環境に負荷を与えてしまうことも。
そして、無駄な食品を廃棄する一方で、貧困に困っている子どもたちがいるという矛盾した状況も生まれています。

フードロス対策自販機とは？

フードロス対策自販機とは、賞味期限が近い食品を通常価格より安く販売している無人販売機です。
食品業界では賞味期間の3分の1以内に販売先に納品するルール（3分の1ルール）があります。納品できなかった商品については、まだ賞味期限が残っているにも関わらず、廃棄される可能性が高いのだとか。賞味期限が近いだけで味や品質は通常商品と何ら変わりありません。この厳しいルールがフードロスの一因にもなっています。
フードロス自販機は、納品期限が過ぎてしまった「まだ食べられる食品」を、安価で販売するシステムです。

どこで買える？設置場所や購入方法

フードロス対策自販機は、街や駅、公共機関などさまざまな場所に設置されていて、好きな時に購入できます。まだ全国的な設置台数は少なめですが、大手企業が参入したり、AIを利用した自販機を設置するなど、さまざまな取り組みがされています。

【設置場所】
市役所、県庁、駅、大学、宿泊施設、企業、空港、オフィス、商業施設など

【自販機の種類】（一例）
・Fuubo
非対面・非接触で購入できる冷蔵・冷凍機能付き無人販売機。いろいろな企業や自治体と提携して、納品期限を過ぎてしまった食品や余剰在庫を定価の3割～5割を目安に販売しています。賞味期限によっては9割近い割引がある場合も。
設置される場所によって、置かれている商品が違うのも特徴です。県庁などに設置されている自販機には、地元の特産品などを置いているところもあります。

・ネスレ　食品ロス削除ボックス
無人販売機「Fuubo」を活用して、納品期限を過ぎ、廃棄される可能性のあるネスレ食品（キットカットやネスカフェなど）を割引して販売しています。

・コカ・コーラ　フードロス対策自販機
通常商品と並行して、賞味期限が近い余剰在庫の商品を安価で販売しています。

・SALAD STAND（サラダスタンド）
AI機能が搭載されたサラダ自販機。AIセンサーが購入者の属性や天候、時間帯、購買データや通行量などのデータを収集し、この自販機で販売するサラダの最適な生産量や価格をあらかじめ判断してくれます。この機能を使って過剰在庫や売れ残りの損失を未然に防ぐ効果があるのだとか。

【購入方法】
設置されている販売機で、クレジット決済やバーコード決済、現金などを使って直接購入できます。
「Fuubo」を利用する場合は、スマホで受け取り場所を選択後、商品を購入。Fuuboの本体に貼られているQRコードを読み取り、購入後に届くワンタイムキー入力して商品を受け取ればOK。

まとめ

フードロス対策自販機は、まだ設置されているところも少なく、購入できる人も限られているという懸念点もあります。しかし、人々のエコ意識が高まり、フードロス削減の観点からも注目されており、徐々に広がりつつあります。 家庭でも「買いすぎない」「作りすぎない」「食べきる」などの工夫をして、少しでもフードロス削減に向けて取り組みたいですね。