筆者もときどき利用するコーヒーチェーン、StarbucksCoffee(スターバックスコーヒー)。近頃注文の際、カップの種類などの提供方法を聞かれることが多くなったと感じます。これまでも地球環境の問題に真摯に向き合い、企業としての取り組みを進めてきたスターバックスコーヒー。今回は2022年6月9日のプレスリリースより「アイス商品のリッド(蓋)なし提供」をピックアップしてみました。取り組みの内容や反響、その他のプラスチック削減の取り組みもあわせて紹介します。
スターバックスコーヒーは、プラスチックの削減を目的としたさまざまな取り組みをしています。2022年4月より、全国113店舗で先行実施された店内提供のアイス商品をリッド(蓋)なしにする取り組みを、6月13日から全国約1,700の店舗で実施することを発表しました。
導入店舗の拡大により、年間約100トンものプラスチック削減の効果が見込めるそう。スターバックスコーヒーでは、その他の取り組みと合わせて、廃棄物を2030年までに50%削減することを目指しています。
東京や大阪など113店舗で先行実施された、リッド(蓋)なしの提供。お客さんはどのような反応だったのでしょうか。
スターバックスコーヒー公式サイトのプレスリリースによると、店内利用されたお客さんの約半数が、取り組みに賛同して、リッドなしでの提供を選択したそうです。また、リッドなしを提案することで、カップもプラスチックではなくマグやグラスを選択するなどの良い影響も。
カウンターで取り組みの内容や協力のお礼を伝えることで、働くスタッフの意識も高まったとか。お客さんとの会話の中では、「すぐに飲むため、ふたは不要で、ごみを減らせる簡単なアクションと感じました」というポジティブな反応があったようです。
スターバックスコーヒーでは、これまでにもさまざまなプラスチック削減に向けた取り組みを行ってきました。
・FSC®認証紙ストロー導入
スターバックスコーヒーといえばグリーンのストローのイメージがありますが、2020年1月から段階的にFSC®認証紙ストローの導入を始めています。
FSC®、正式には「Forest Stewardship Council®(森林管理協議会)」は、環境保全の観点において適切な森林管理の普及を目的として設立された非営利団体です。適切な管理が行われている森林やその木材を原料とした製品に与えられるFSC®認証。消費者はその製品を使うことで、環境保全に協力できる仕組みです。
現在は紙製ストロー導入店舗を国内全店舗に拡大し、年間約2億本のストロー削減を見込んでいます。
・ペーパーカップ、ストロー不要リッド提供
2021年2月より、使い捨てのプラスチックカップの代わりに、紙製のカップと、ストローが不要なリッド(蓋)での提供を始めました。当初3品目だった対象商品は2021年4月から23品目に拡大され、約6,700万杯分のプラスチック削減を見込んでいます。
アイスコーヒーなどの主要なアイス商品は、プラスチック製のカップの代わりに、FSC®認証紙を使用して作られたペーパーカップでの提供になりました。新しいペーパーカップは、ホットとアイス両方に使え、カップにラミネート加工が施されているため結露しにくい素材になっています。
これまでホット商品に使われていたリッド(蓋)の飲み口を広く改良。ホットとアイス両方に使える「ストローレスリッド」を導入しています。これにより、ストローだけでなく、持ち帰り用に使用していたマドラーや、飲み口を塞ぐためのシールなどの削減にもつながっています。
・樹脂製グラスでの提供
2022年4月から、フラペチーノなどのアイス商品の店内提供では、樹脂製グラスを使用する取り組みを始めました。国内106店舗で先行導入され、現在も実施中。樹脂製グラスの使用は、プラスチック削減しながらも、透き通ったグラスで見た目も楽しめるという利点も。
当初、東京都内数店舗で試験導入していましたが、順次導入店舗を拡大していくようです。
これまでもさまざまなプラスチック削減の取り組みを行ってきたスターバックスコーヒー。単に紙製や使い捨てでない容器に変更するのではなく、飲みやすさやシーンに合わせて無理なく選べるスタイルにこだわっている点も企業努力が伺えますね。エコなことをしたいと思っていても行動に移すのは難しいもの。コーヒーを飲むときに、カップやストローに気を配るという些細なことから始めてみるのもよいかもしれません。
記事を作成・監修したマイスター
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