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長期的な金相場の予想は?6つの金価格の変動要因を交えて解説

貴金属 – コラム
2019.8.5

日本の国債や借入金残高は増え続けており、国の財政には不安の声が上がっています。そのため、リスクマネジメントとして資産の分散に興味を持つ方も多く見受けられます。

資産の分散を考える上で、代表的な投資先の1つが金です。金相場は、上下の動きがありながらも、歴史的に上昇し続けてきました。

今回の記事では、これからの長期的な金相場の予想について、金の価格が変動する6つの要因を交えながら解説します。

金相場の推移|注目は2000年以降の動き

金相場の推移|注目は2000年以降の動き

金の国内小売価格は、ドル円の為替レートが相場に大きな影響を与えるため、短期的な値動きが激しくなります。
例えば、円安ドル高だと金の価格は上昇し、円高ドル安だと金の価格は下落します。しかし、資産の分散を考える上で大切なことは長期的な値動きです。特にこれからの動きを予測する上で重要な、2000年以降の動きについて目を向けてみましょう。

2000年、1グラム当たりの金の平均価格は1,000円前後でした。それから、円建ての金価格は波打ちながらも上昇を続け、2018年の金の平均価格は4,500円前後になっています。

上昇の要因としては、以下のような理由が挙げられます。

  • テロや戦争による資産リスク増大
  • 金のETFによる投資の簡素化
  • 原油価格増大による新たな投資

まず、2001年の大事件として、アメリカ同時多発テロ事件が思い起こされます。アメリカの中枢部が次々と攻撃された事件は、世界に衝撃と不安を与えました。今まで資産の大きな分散先であったアメリカドルから、資産を移す動きがみられました。

また、2000年代には金ETFが登場し、多くの証券会社が取り扱うようになります。購入の敷居が低くなり多くの人が買い求めた結果、金ETFの残高は急激に増加し金相場も上昇しました。

さらに、2000年代は原油価格が急上昇し、投資家は新たな投資先を探す傾向がみられました。金は現物資産であり、高い価値を保ってきた歴史があります。不動産、美術品などと同じコモディティ投資である金が注目され、新たな投資マネーを生みました。

金の価格が変動する6つの要因

金やプラチナ、原油等の市場は需要と供給によりチャート価格が変動します。よって、需要や供給に影響を及ぼす要因を読み解くことで、金相場の流れを予想できます。

金の価格が変動する要因としては、主に次の6つが挙げられます。

  • 不安定な世界情勢
  • 中央銀行の売買動向
  • アメリカの経済状況
  • 原油価格とインフレ
  • 新興国「BRICs」の経済成長
  • 金ETFの登場と年金基金の参入

それぞれの要因について詳しく解説します。

不安定な世界情勢

不安定な世界情勢

金は世界的に認められている資産であり、世界情勢によって価格が変動します。世界情勢が不安定になり地政学的リスクが増大すると、金の価格は上昇します。逆に世界情勢が安定し地政学的リスクが縮小すると、金の価格は下降します。

現金や株式・債券といった金融資産は、発行元があり信用リスクが伴います、万が一、発行元が破綻すれば資産の価値はなくなります。対して金は実物資産であり、発行元がなく信用リスクがありません。このため「有事の金」とも呼ばれ、テロや戦争が起こった際に金の価値が上がります。

中央銀行の売買動向

国の金融の中心となる機関が中央銀行です。世界の中央銀行は、自国通貨の安定や通貨危機に対する備えとして、外貨準備を行います。その外貨準備として、外貨の他に保有されるのが金です。各国の中央銀行が保有する金を合わせると、地上在庫の約6分の1にも及びます。

中央銀行が、金を購入すれば価格は上昇し、金を売却すれば価格は下落します。特に近年では、新興国の経済成長が目覚ましく、新興国の中央銀行が金を積極的に購入しています。先進国だけでなく、これらの新たに経済成長している国々にも目を向ける必要もあります。

アメリカの経済状況

金の相場には米経済の状況が大きく影響します。その理由は、世界各国の中央銀行が外貨準備として、米ドルを保有しているためです。米ドルは現在の基軸通貨で、国際間の貿易や資本取引に利用され世界中に流通しています。

一般的に、アメリカの経済状況が良くなり、米ドル実効レートが上昇すると金のドル建て価格は下落します。逆にアメリカの経済状況が悪くなり、米ドル実効レートが下降すると金のドル建て価格は上昇することとなります。このような逆相関性の動きを持つ傾向にあることから、金は「無国籍通貨」とも呼ばれ、米ドルと共に外貨準備の運用先の対象となります。

原油価格とインフレ

金と原油は同じ実物資産であり、価格の推移には相関関係がみられます。一般的には、世界経済が失速し情勢に不安があると実物資産の価格は上昇し、世界経済が活発になり情勢が安定すると、実物資産の価格は下落します。ただし、2014年以降シェールガスの台頭や化石燃料以外のエネルギーが普及したことにより、金と原油の相関関係は薄れる傾向にあります。

また、物価の上昇であるインフレーションも、金の価格に大きな影響を与えます。世界経済が安定している状態では、経済成長しながら緩やかにインフレするため、金の需要は減る傾向にあります。逆に世界経済が混乱し、貨幣の価値が揺らいでしまうと、金の需要が増えて価格が上がります。

新興国「BRICs」の経済成長

新興国の経済成長が進むと、いざという時に自国の通貨を守るために外貨準備を行います。外貨準備はリスクを分散化するために多様化が進んでおり、金も投資先の対象となっています。

米国等の先進国は金を多く保有していますが、外貨準備は既に整っているため売買の動きは少なくなります。対して、新興国はリスクヘッジのために金保有量を増やしているため、売買の動きも活発です。特に「BRICs」と呼ばれるブラジル・ロシア・インド・中国の動向は、国の経済規模も大きく金の価格に大きな影響を与えます。

近年では、特に中国やインドが経済的に台頭し、将来的に世界一の経済大国の座を争う可能性があります。アメリカの経済制裁に備えて外貨準備高が増えるため、中国とインドの影響はさらに拡大していくと予想されます。

金ETFの登場と年金基金の参入

金ETFとは、金の価格に連動する上場投資信託を指します。2003年、オーストラリアの証券取引所で誕生し、その後世界各国に広がりました。金ETFの登場により、一般の人も金に投資しやすくなり、金の価格は大きく上昇しました。

さらに、世界各国の年金基金の動向も金の価格に大きな影響を与えます。年金基金とは、老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する組織を指します。年金基金が1番恐れることはインフレや経済状況悪化により、年金が払えなくなる事態です。

そのため、金融資産と相関関係が薄い金を購入し、リスクヘッジできる体制を整えています。

長期的な金相場の予想は「上昇」とみられている

長期的な金相場の予想は「上昇」とみられている

金相場の変動は様々な要因が影響を与えるため、その値動きを予測することは大変難しいことです。ただ、長期的な金相場は、将来的に上昇していくと予想されます。その要因として、主に3つの理由が挙げられます。

  • 金埋蔵量の減少
  • 鉱山調査・採掘コストの上昇
  • 世界的金需要の増大

それぞれの理由について、詳しく解説します。

【金相場上昇の理由①】金埋蔵量の減少

金は古代から特別な存在として扱われてきました。現代でも、人工的に作り出す技術は確立されておらず、金を手に入れるためには鉱山から採掘するなど地球から集める方法しかありません。

これまで、人類が採掘した金総量は、約18万トンです。そして、地中に残る金の埋蔵量は約5万トンと予想されています。現在、年間に約3,000トンのペースで採掘しているため、このままいくと20年以内に金が枯渇します。

金の埋蔵量が減少すれば供給量も減少し、需要に対して供給量が少なくなるため金の相場は上昇するはずです。

【金相場上昇の理由②】鉱山調査・採掘コストの上昇

金の埋蔵量は、現代の技術で採掘でき、さらに採掘量に対してコストが見合う量を指します。つまり、技術革新や金相場上昇により埋蔵量は増える可能性があるということです。

金の採掘は採掘コストが安く利益が大きい場所から進められます。採掘が進むにつれ、調査や採掘のコストが上昇します。よほど、革新的な金採掘技術が確立されない限りは、金相場は将来的に上昇していくはずです。

また、採掘コストには現場で働く人々の給与や労働条件も関わります。現在、世界の物価は緩やかなインフレ傾向であり、働く人々の給与も増加しています。労働条件が悪ければ、ストライキ等により生産が止まる可能性もあり、金の供給に大きな影響を与えます。

【金相場上昇の理由③】世界的金需要の増大

金相場の変動に大きな影響を与える要因の1つが、世界的な金需要の増大です。金には宝飾品としての価値があり、世界的に経済が成長すると新たに誕生した富裕層によって金の需要が高まります。

また、金には工業的価値があり、熱伝導や電気伝導に関して優れた性質を持ちます。現代においても、コンピュータやスマートフォンのICチップなど幅広い用途に利用されています。世界的なIT技術の普及により工業製品の生産が進み、金の需要も高まることが予想されます。

まとめ

科学的に高い安定性を持つ金は、昔から富の象徴や貨幣の原料として重宝されてきました。管理通貨制度に移行した現代においても、世界各国の中央銀行が外貨準備として金を保有しており、高い価値を保っています。

金相場は長期的な視点で上昇を続けており、これからもその傾向は続いていくと予想されます。個人の資産形成においても、リスクヘッジを考える上で魅力的な投資先になりえるはずです。

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