高知県大川村に本店があるどんぐり銀行は、お金ではなくどんぐりを預ける銀行。どんぐり拾いを通じて、大人でも子どもでもSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」に取り組めるんです。
今回は、「どんぐり銀行の仕組みとは?」「どこで預ければいいの?」「預けられるどんぐりの種類や量は?」など気になるポイントを解説。秋になると、子どもが集めたどんぐりを持て余してしまうお父さん・お母さんは必見です!秋のどんぐりシーズンを前に、どんぐり銀行についてくわしくなりましょう。
どんぐり銀行本店がある高知県大川村は、西日本最大級のダム「早明浦(さめうら)ダム」がある自然豊かな土地です。
ある時期、このダムの水がどんどん減ってしまいました。ダムの周りの山に針葉樹の人工林が増えたため、山が水を蓄えられなくなってしまったのです。
水源地を守り、落葉広葉樹の森を復活させるためにはじまった植樹活動。それが、どんぐり銀行です。
・どんぐり1個=1D(ドングリ)。どんぐり通帳で残高をチェック!
ただどんぐりを集めるだけでなく、銀行のスタイルをとっているのが、どんぐり銀行の特徴です。
はじめてどんぐりを預けると、どんぐり通帳が発行されます。
どんぐり1個で1D(ドングリ)。オリジナル通貨まで決まっているんです。通帳の発行には手数料100円が必要ですが、2回目以降はどんぐりを預ける度に無料で記帳してもらえます。
預けたどんぐりの数によって、葉っぱやどんぐりのシールがもらえるので、子どもの意欲や達成感も育まれそうですね。
・「どんぐり共和国」がどんぐり銀行の出張所。全国各地から参加可能。
全国展開のキャラクターグッズ販売店「どんぐり共和国」が、どんぐり銀行の出張所になっています。一部、出張所が入っていない店舗もありますが、北は北海道、南は沖縄まで、高知県から離れた場所に住んでいても、気軽に参加できるんです。
どんぐり銀行には、毎年、全国の子どもたちからたくさんのどんぐりが集まります。近くにどんぐり共和国がない場合は、高知県大川村のどんぐり銀行本店に、直接郵送することもできますよ。
どんぐりが貯まったら払い戻しもできます。ただし、引き出せるのはどんぐりではなく、どんぐりのなる「クヌギ」の苗木です。
大川村では、全国から集められたどんぐりの中から、よりすぐりのどんぐりを植樹できるよう苗まで育てています。毎年払い戻し期間が決まっていて、どんぐり通帳をどんぐり銀行出張所に持参すると、苗木と交換してもらえます。
しかし、クヌギの木は大きくなると数メートルを超える大木になることも…。植える場所がない人はどうしたらよいのでしょうか。
・代理植樹もOK!大川村であなたの苗木が育つ。
実は、どんぐり銀行の払い戻しでは、「代理植樹」を選ぶこともできます。毎年、大川村で行われる「植樹祭」で、自分の代わりに苗を植えてもらえるんです。どんぐり銀行の植樹活動は20年以上の歴史があり、かつての小さな苗木は、今では立派な森に育っているそうです。
クヌギをはじめとする落葉樹は、毎年秋から冬になると葉を落とします。落ち葉はふかふかの腐葉土になり、やがて森を豊かにしていくのです。
・預けられるのは「新鮮な」「乾燥した」どんぐり
では、実際にどんぐり銀行にどんぐりを預けてみましょう!
どんぐり銀行で預けられるのは「自然に落ちた新鮮などんぐり」のみです。どんぐりの種類や大きさは関係ありませんが、虫食いのものや、カビてるもの、割れているものは預けられません。
新鮮などんぐりかどうかを見極めるには拾ったどんぐりを一旦水に浸けてみましょう。水に沈むのが、新鮮などんぐりの証です。新鮮などんぐりだけを集めたら、太陽光でしっかり乾かします。
乾燥したどんぐりは、個数を書いて袋に入れます。このとき、密封しないのがポイントです。
準備ができたら、郵送、もしくはどんぐり銀行出張所に持ち込んでどんぐりを預けましょう。
どんぐり銀行の取り組みが実を結び、どんぐり銀行のきっかけとなったダムの水量は、ここ数年、比較的安定しているのだとか。「1人1人の小さな行動が、やがて大きな森を守る。」どんぐり銀行は、そんなかけがえのない体験ができます。興味を持たれた方は、この秋ぜひ挑戦してみてくださいね。
記事を作成・監修したマイスター
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