金とプラチナは共に非常に価値が高く、人気のある貴金属です。宝飾品やアクセサリーとして個人的に楽しむ方や大切な人にプレゼントする方も多くいるでしょう。また、金とプラチナは価値が下がりにくいことから、資産として「インゴット(金地金)」や「コイン」などを持つ方もいます。
金やプラチナは希少価値があるため、高価な価格が付けられています。しかし、金やプラチナには相場があり、価格は日々変動しているため、価値が下がることも少なくありません。
そこで今回は、金・プラチナの相場について紹介します。また、近年プラチナの相場が下がっている理由や、今後の相場の変動予測についても解説しているため、金・プラチナの取引・購入を検討している方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
INDEX
金やプラチナには相場があり、日々変動しています。なぜなら、その時々の世界情勢などで需要の高い貴金属が違うためです。
当然ですが、需要が高い金属の価値は高まり、価値はそのまま金額に反映されます。そのため、取引価格は月の前半と後半の間に大きく変動することもしばしばです。
金やプラチナは、強度などの問題から他の金属と掛け合わせて加工されることが多く、金やプラチナの含まれる割合によって、呼び方が異なります。
以下は、金とプラチナの名称と概要を表にまとめたものです。
プラチナ | |
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名称 | 概要 |
Pt999 | 100%のプラチナは存在しないため、純プラチナとも呼ばれる。 |
Pt950 | ハイブランドのリング、宝石付きのネックレスなどに使用されている。 |
Pt900 | 国内のリングなどに最も多く使用されている。 |
Pt850 | プラチナ製品として認められる最低ラインの数値。 |
Pt505 | プラチナ含有量が最も低い。 |
金 | |
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名称 | 概要 |
K24 | 純金。日本では、金の含有量99.99%以上。 腐食や変色しにくいが、柔らかいため宝飾品には向かない。金地金や金貨に使用されている。 |
K22 | 金の含有量91.7%の標準金。 金貨や宝飾品に使用されている。 |
K18 | 金の含有量75%で耐久性があり、宝飾品に向いている。 配合する成分によって色味を変えることができる。 |
K10 | 金の含有量42%で、廉価なアクセサリーに使用されている。 硬いため、変形しにくく傷つきにくい。 K18同様、配合する成分で色味が変化する。 |
金とプラチナは、数字が大きいほど純度が高くなります。
金は、24分率による金の配合率によって種類が分けられています。
プラチナは長年金よりも高価な貴金属として知られてきました。しかし、2008年からプラチナの価値は下がり続け、2013年以降には金とプラチナの相場は逆転現象が起きています。
今後、プラチナの価値はさらに下がり、価格差は広がるとも言われますが、それは本当なのでしょうか。
ここでは、プラチナの相場が下がっている理由について解説します。
金とプラチナを比較すると、産出量は圧倒的に金のほうが多く、金は年間産出量が約3,000tです。一方、プラチナの年間産出量は約200tで、金の約15分の1程度です。また、既に世界中に出回る累計産出量も、金の約18万tに対してプラチナはわずか約5,000tです。
金は中国やオーストラリア、ロシアなどを中心に世界各地に産出国があり、日本でも採掘できます。それに対して、プラチナは採掘できる場所が限られています。プラチナの年間産出量の70%は南アフリカ共和国、20%はロシア、残り10%はジンバブエと限られた場所でしか採ることができません。そのため、希少価値の点で言えば、断然プラチナに軍配が上がります。
また、プラチナは結婚指輪などの高価なジュエリーとして高い人気を誇り、需要は十分にあると考えられます。
では、なぜこのように希少価値や需要が高いプラチナの価値は下がっているのでしょうか。
実はプラチナは、アクセサリーや宝飾品に使用される割合は3割程度で、6割以上は医療器具や自動車などの工業用需要として利用されています。金の場合、5割以上は宝飾品用需要で、工業製品に使用される割合は1割程度です。
この用途における割合が、現在の相場の差を招いていると言えます。
前述したように、プラチナの価値が一気に下がった最初の出来事は、2008年9月のリーマンショックです。この時プラチナの価格は、一気に1/3まで低下しました。
リーマンショック以降もプラチナの価値は金を上回っていましたが、2011年以降、プラチナの価値は下落の一途をたどり、2015年以降、ついに金とプラチナの相場は逆転しました。
プラチナの価値が下がっている大きな原因は、世界的な景気の低迷です。詳細は以下のように考えられます。
主な原因 | 詳細 |
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自動車の生産や売上低迷 |
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宝飾品需要の低下 |
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円高ドル安の進行 |
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南アフリカ経済の低迷 |
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不況時の安全資産として |
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金は、世界共通の通貨とも言える安全な資産として、不況下ほど相場が上がりやすい貴金属と言われています。一方で、自動車産業で使用されることが多いプラチナは、不況下で自動車の売れ行きが下がると需要量も下がり、相場が大きく影響を受けてしまいます。
長い間、金に比べて圧倒的に希少価値の高いプラチナの価格が金を上回ることは、当然とされてきました。しかし、市場において売買価格を決める要素は、希少性ではなく需要です。
それでは、今後のプラチナの価値はどうなっていくのでしょうか。
ここからは、今後しばらくの予測と、プラチナが逆転する可能性について解説します。
前述のように、プラチナの価格が下がっている根本の原因は、中国やインドなどの新興国の経済成長の低迷や、世界的な景気の悪化です。そのため、今後中国などの経済成長が堅調となり、世界的な景気が良くなれば、プラチナの価格が上昇する可能性がないとも言えません。
しかし、世界経済の不安定さはしばらく続くと予想されています。そうなれば、ますます安全神話を持つ金の需要は高まり、価格へと反映されるでしょう。
プラチナの産出国は寡占状態にあり、特に南アフリカ共和国とロシアの経済状態によって、価格が大きく変動する可能性もあります。
リーマンショックの直前には、南アフリカが財政難に陥り輸出が止まったためにプラチナの価格が急騰した例もあることから、二つの輸出国の状況によっては、プラチナの相場が大きく変動する可能性を秘めています。
次世代の車として定着しつつある電気自動車には三元触媒が必要ないため、このまま電気自動車が普及すれば、プラチナの相場は決定打を受けるという予想もあります。
しかし、もう一つの次世代カーとして注目されている水素燃料電池自動車には、ディーゼル車以上にプラチナが大量に使用されます。そのため、車体価格が高額になるなどの課題から電気自動車に遅れを取っている燃料電池自動車ですが、今後課題を解消すれば逆転する可能性もあります。
しかしながら、世界的な不況が解消され、プラチナが再び金の価格を上回るまでには、長い時間がかかると見られています。
ここまで、金とプラチナの相場や価値・価格、それぞれの利用用途や需要の違いと、今度の価格の変動予測について解説しました。
金に比べて産出量が少なく希少性の高いプラチナは、様々な理由から需要が減少しているため、価格が下落しています。日本では宝飾品として人気の高いプラチナは、世界的に見ると工業製品としての需要が高く、特に自動車産業の景気に相場が左右されます。
今後、世界的な景気の動向や次世代の自動車の方式などによっては、再度プラチナが金の価格を上回る可能性もありますが、それまでにはまだ少し時間がかかると予想されています。金やプラチナの買取を検討している方は、ぜひ当記事を参考にして、満足できる取引をしてください。
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