別名「グリーンガーネット」の名前を持つツァボライトは、エメラルドに匹敵する緑の輝きが特徴の宝石です。1961年に発見された比較的新しい宝石のため、詳しく知らない方も多いのでは。そこで今回は、ツァボライトの石言葉やヒーリング効果、歴史、原産地などを詳しく解説しました。ツァボライトの価値を見極めるポイントや、買取相場にも触れています。ツァボライトについて知りたい方、高く売却したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
INDEX
ツァボライトとはどのような宝石なのでしょうか。概要や特徴、歴史まで詳しく解説します。
ツァボライトは別名、グリーンガーネットやサヴォライト、グリーングロッシュラーライトガーネットともいい、和名は「灰礬柘榴石(かいばんざくろいし)」と呼びます。
ツァボライトはケイ酸塩鉱物で、カルシウムを含むウグランダイトグループのグロッシュラーライトに属した宝石です。グロッシュラーライトには、褐色、黄緑色、緑色、黄金色、黄色、無色のものがありますが、そのなかでも緑色のものがツァボライトと呼ばれています。
ツァボライトはなんといっても、美しい緑色が特徴。内包物が少なく透明度も屈折率も高いため、エメラルドに匹敵する輝きを放つとされています。爽やかな黄緑色から重みのある濃い深緑色まで、緑の色彩も豊富です。
人工的な加工をしなくても自然な緑色をしているため、ナチュラルな宝石を好む方にも人気があります。
産地はタンザニア、ケニアが有名で、かつては40~50ヵ所で盛んに採掘が行われていました。しかし、採掘には地質学の知識が必要で、鉱脈が突然途切れることもしばしば。容易に掘り出すことができず、時間も費用もかかることから、現在は一握りの鉱山でのみの運営となっています。
今後も採算が取れず事業を撤退する会社が増えれば、採掘量は減少する一方のため、希少性が高い宝石になる可能性もあるようです。
ツァボライトは1961年、イギリスの有名な地質学者キャンベルブリッジによりジンバブエで発見されたのがはじまりです。宝石として利用できる鉱石は、1967年ケニアの国境に近いタンザニアの北東地域で発掘されました。しかし、タンザニア政府はツァボライトがある鉱山の権利を国有化し、輸出を禁止。したがって、世に流通することはありませんでした。
諦めきれなかったキャンベルブリッジは、ケニア側からの採掘を試みます。そして1971年「ツァボ国立公園」でツァボライトの産出に成功。採掘の許可を獲得し、品質の高いツァボライトが流通するようになりました。
ツァボライトは採掘当初、グリーンガーネットと呼ばれていました。しかし、この石に注目していたティファニー&カンパニーの社長は、ツァボ国立公園から発見されたことを由来とし、1973年に「ツァボライト」と命名。そして、翌年には社を挙げて大々的にプロモーションを実施します。この出来事により、ツァボライトは世界中の宝石愛好家に知られ、親しまれるようになったのです。
つぎは、ツァボライトが持つ石言葉やヒーリング効果について説明します。
ツァボライトには以下のような石言葉があります。
●生命力
●調和
●落ち着き
●忍耐力
●純愛
●影響力
●指導力
●叡智
美しい緑色から連想できる、青々と茂った木々の生命力や、癒し効果による落ち着きなど、ツァボライトらしい言葉が並んでいます。失った自信を取り戻したい、自分の強みを生かして新しいことを始めたい、よい恋愛をしたい方などにおすすめの宝石です。
ツァボライトはガーネットの一種のため、1月の誕生石になります。情熱的な赤色のガーネットに対し、緑色のツァボライトは、心身ともにリラックスした状態へと導きやすいのだとか。1月の誕生石の石言葉は主に以下の4つが挙げられます。
●貞操
●真実
●友愛
●忠実
中性のヨーロッパでは、戦いに出る戦士が妻へガーネットを贈り、一途な愛を誓い合ったというエピソードが残されています。貞操以外の石言葉も、愛情や友情を貫く思いを込められるものばかり。1月生まれの恋人や友人がいる方は、ツァボライトをプレゼントしてみるのもよいでしょう。
石言葉に「生命力」や「忍耐力」を持つツァボライトは、生きる力や創造力を高める効果が期待できます。メンタル面を落ち着かせ、マイナス感情を和らげるなど、心身のバランスを整える効果もあるようです。気持ちが穏やかになれば、ポジティブな感情がめばえ、どんなことも前向きに取り組もうとする意欲も湧きやすくなることでしょう。
さらにツァボライトは、決断力が必要な場面にも役立ちます。的確な判断ができるよう導いてくれるので、起業など新しい何かを始めるときのお守りにもおすすめ。やる気を持続させ、困難に負けないようサポートしてくれるパワーも持ち合わせているようです。
また、対人運を向上させる力もあるので、愛情を呼ぶ石ともいわれています。新しい人との出会いを良好なものにしてくれるため、恋愛にも効果的です。
ツァボライトのように緑の輝きを持つ宝石はほかにもあります。ここでは、ツァボライトに似た宝石との違いを確認していきましょう。
エメラルドはツァボライトより深い緑色のものが多いため、ある程度は見た目で分かるようです。しかし、判断がつきにくいものも多いので、どちらか分からないときは、ペンライトとルーペで光の屈折性の違いを見ていきます。宝石にライトを当て、光が1本で進む単屈折ならツァボライト、2本に分かれる複屈折ならエメラルドです。
さらに、光沢の違いで見分ける方法もあります。ツァボライトの光沢はガラス状~油状、エメラルドはガラス状~ろう状といわれているので、覚えておくとよいでしょう。
デマントイドもツァボライト同様に、ガーネットに含まれる宝石です。どちらも緑色のため、見分けがつかないという方が多くいます。
この2つの宝石を見分ける鍵は、輝き方です。デマントイドはツァボライトよりも屈折率、分散率がともに高いという特徴があります。わずかな光でも眩しい輝きを見せるファイア効果が見られるので、光を当てたときの輝きに注目してみましょう。
さらにデマントイドは、細かい毛状で馬の尻尾のように見える「ホーステイルインクルージョン」という内包物があることも大きな特徴です。高品質といわれているロシアのウラル産のものに多くみられる内包物のため、見分けるときの参考にしてください。
ミントガーネットは、ツァボライト同様ウグランダイトグループに属するグロッシュラーライトの宝石です。1998年に発見された非常に新しい宝石で、その名のとおりミント色をしています。
ツァボライトと比較すると緑色が薄いため、大きめのものならすぐに判別がつきます。しかし、小さいものは判別が難しく素人では判断が困難です。海外ではミントガーネットをツァボライトとして扱う国もあるほど。鑑別するときはプロに頼むのが無難でしょう。
ペリドットもツァボライトのように緑色の宝石ですが、黄色味が強いという特徴があります。新緑を連想させるような爽やかな緑色のため、見ただけでもツァボライトではないことが分かるものが多いようです。
しかし、緑色が強いものもあるため、ツァボライトと間違われることも。そんなときは、液体と気体からできる円盤状の内包物「リリーパッド」があるかないかで判断しやすくなります。リリーパッドはペリドットに見られる特徴的な内包物のため、これが見つかればツァボライトとの区別が簡単につくようです。
ツァボライトはガーネットのひとつのため、お手入れ方法は基本的にはガーネットと同じです。では、普段の取り扱い方や、お手入れのポイントをご紹介します。
ツァボライトは熱に強い性質がありますが、温度変化には弱い宝石です。極端に温度が変化する場所での保管は、宝石が破損する原因になるので避けましょう。直射日光が長時間当たる場所などは要注意です。
ツァボライトのモース硬度は7.25~7.5です。この硬度はダイヤモンドやルビー、サファイヤなどよりも低いため、一緒に保管をして擦れ合えば傷がついてしまう恐れがあります。逆に、ツァボライトよりも柔らかい宝石もあるので、逆に傷をつけてしまう可能性も。
ツァボライトを保管するときは、ほかのジュエリーとぶつかり合わないよう、宝石専用のボックスなどに入れるようにしましょう。
一般的な宝石と同様に、ツァボライトのジュエリーも使用後は汗や皮脂を取り除いておきます。拭き取るときは眼鏡拭きのような柔らかい布を使用しましょう。とくにセーム革という薄く柔らかい皮革がおすすめ。研磨材や洗剤を使わなくても、拭き取りだけで汚れが落ちやすいので、活用してみてください。
拭き取りで落ちない汚れがあるとき、輝きが鈍くなったと感じたときは、石鹸水で洗浄をします。石鹸水は、水もしくはぬるま湯に食器洗い用の中性洗剤や石鹸を溶かしたものを準備しましょう。洗浄時は指先か柔らかい歯ブラシで優しく汚れを落とします。洗い終えたら、石鹸水が付着したままにならないようしっかりと流し、水分を拭き取って、しっかりと自然乾燥させれば完了です。
ツァボライトの評価は何が大きく影響するのでしょうか。価値を決める要素をチェックしていきましょう。
ツァボライトは、ほかの宝石同様「カラー(色)」「クラリティ(透明度)」「カラット(重さ)」「カット(研磨)」を基準に価値を見ますが、そのなかでもカラーが一番重要といわれています。評価が高いものは、明るすぎず、暗すぎない濃い緑色のものです。エメラルドに似た色味ほど評価は高い傾向にあります。
クラリティ面では、もともと内包物が少ない宝石のため、不純物が目立つ場合はマイナス評価になることも。しかし、ツァボライトは屈折率が高いという特徴があり、内包物があっても美しい輝きを放ちます。そのため、不純物があっても価値が下がりすぎることはないため、安心してください。
ツァボライトは大きな原石が発掘されにくいため、1カラット未満のものが多く流通しています。したがって、1カラットを超えるものは大粒とされ、高評価になりやすいです。さらに、宝石には適していない濁ったものも天然石として人気があります。ツァボライトは宝石としてだけでなく、天然石としても広く流通しているので、需要は高い石といえるでしょう。
実際にツァボライトはいくらで取引されているのでしょうか。販売価格や買取価格を確認していきます。
ここでご紹介する金額はあくまでも一例です。販売店・買取専門店や、時期、宝石の状態などにより価格は異なるので、目安として参考にしてください。
ツァボライトのルース(裸石)の販売価格は以下のとおりです。
タンザニア産 1.18カラット 128,000円
ケニア産 0.686カラット 45,800円
タンザニア産 0.44カラット 37,000円
ケニア産 0.511カラット 19,800円
ケニア産 0.282カラット 9,800円
ルースの状態でも、1カラットを超えると100,000円を超える傾向にあります。質がよいものほど高価なジュエリーに加工されることが多いのが特徴です。加工された状態で購入するときは、安くても10,000円台、高いものは200,000円を超えると認識しておきましょう。
ツァボライトのルースの買取相場は、大きさと質により差が出やすいことが特徴です。
1カラット 200円~20,000円
2カラット 1,000円~60,000円
3カラット 1,000円~100,000円
5カラット 2,000円~200,000円
石の状態はS・A・B・Dのランク別に分けられ、買取相場が決まります。状態が悪いものは、大粒でも安い買取価格になりやすいようです。ジュエリーに加工されている場合は、デザイン性やブランドとしての価値がプラス評価に。装飾されているほかの宝石なども含め、総合的に判断されるので、ものによっては高い買取価格を目指せます。
エコリングなら、お手持ちのツァボライトのリングやネックレスとったジュエリーも高価買取が目指せます。では、エコリングが宝石・ジュエリーの買取に最適な理由を確認していきましょう。
エコリングは業界でもトップクラスの宝石・ジュエリーの買取実績があります。買取実績が豊富ということは、それだけ多くの方が利用しているという証拠。お客様の満足度が高い証ともいえるでしょう。
エコリングには、さまざまな宝石の価値を見極められる、経験豊富な鑑定士が在籍しています。他店では値段がつかなかったものも、エコリングならひとつひとつの宝石の価値を見極め、適正な値段をつけてくれたと口コミがあるほど。エコリング独自のカリキュラムで培った知識と経験で、宝石・ジュエリーの適正な価格の提示が可能なので、安心しておまかせください。
状態が悪い宝石やジュエリーも、エコリング独自のメンテナンス技術で、オリジナル同様に再現ができます。他店では状態が悪いために安い査定額になってしまったものも、エコリングなら高額査定が可能に。「傷んでいるから価値がない」という認識は持たず、一度査定に出してみるようにしましょう。
精神力や愛情を高める石言葉を持つツァボライトは、ジュエリーとしてだけでなく、パワーストーンとしても人気がある宝石です。採掘量が減ってきている現状から、希少性が上がり、価値が高まる可能性を秘めている宝石でもあります。購入するなら今が買いどきかもしれません。また、ご自宅にツァボライトが眠っているという方は、一度エコリングで査定をしてみませんか?エコリングなら、どんな状態でも買取ができますので安心してご利用ください。
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