近年、高値を更新し続けている金の相場。手元にある金のジュエリーや金貨などの価値がどれくらいあるのか、売るならいつがベストなのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。今回は、金の価格の推移を過去10年間にわたり、そのときに起こった出来事や金の価格上昇の理由とともに解説しています。また、気になる今後の見通しについて、さらには金を高く買取してもらえるポイントもご紹介。家に眠っている金製品がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
INDEX
上昇し続ける金の価格ですが、過去10年はどのような動きをしていたのでしょうか。金の価格に影響を与えた出来事も併せてご紹介します。
過去10年の金の参考小売価格の推移は以下のとおりです。
平均価格 | 最高価格 | 最低価格 | |
---|---|---|---|
2013年 | 4,453円 | 5,084円 | 3,852円 |
2014年 | 4,340円 | 4,745円 | 4,142円 |
2015年 | 4,564円 | 4,985円 | 4,184円 |
2016年 | 4,396円 | 4,655円 | 4,140円 |
2017年 | 4,576円 | 4,751円 | 4,410円 |
2018年 | 4,543円 | 4,827円 | 4,207円 |
2019年 | 4,918円 | 5,343円 | 4,521円 |
2020年 | 6,122円 | 7,063円 | 5,214円 |
2021年 | 6,402円 | 6,897円 | 5,930円 |
2022年 | 7,649円 | 8,154円 | 6,680円 |
過去10年間の推移は以上のとおりですが、その後さらに価格は上昇し、2023年10月26日現在、店頭では1グラム当たり10,460円で取引されています。
過去10年を振り返ると、2013年から2019年まではじわじわとアップしていましたが、2020年を境に上昇率が格段に上がっていることが分かります。2013年には4,000円台半ばだった平均価格ですが、7年後の2020年には6,000円を超えるほど著しく上昇。なぜ金価格が上がったのか、次項で解説していきましょう。
金の価格の上昇は、2011年、世界的な景気後退や金融不安の高まりにより安全資産として金が注目されたことが背景にあります。それまで1グラム当たり3,000円台で取引されていた金は、一時4,000円台後半の値をつけるようになりました。
その後、景気回復に伴って2015年頃までは1グラム当たり4,000円台半ばで推移。2015年、2016年は一旦値が上下していますが、これはアメリカのドル高や利上げへの期待の影響といわれています。
その後、2019年頃から金の価格が上昇し始めた理由は、イランの対米報復のリスクが高まったことやアメリカと中国の貿易戦争などです。
2020年を境に金価格が大きく伸びた理由には、新型コロナウイルス感染症が世界中に蔓延したことが挙げられます。いつ収束するのか分からない、という不安感が金の需要をアップさせたようです。現在も戦争やアメリカの銀行破綻など社会的・政治的不安が続いているため、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた現在も、金価格の上昇は止まっていません。このような社会情勢に対する不安は、金相場に大きく影響を与えることを覚えておきましょう。
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社会情勢以外にも、金の相場が上昇した理由があります。今後、どのように推移するのか予測するためにも、金相場に影響を与える要因をチェックしていきましょう。
一般的に、米ドルと金の相場は逆相関であるといわれています。つまり、米ドルの価値が上がると金の相場が下がり、米ドルの価値が下がると金の相場が上がるということです。その理由のひとつは、金の取引。
金は国際通貨の中でも中心的な地位にある米ドルで取引されています。したがって、米ドルの価値は金相場に影響を与えやすいのです。現在は、米ドルの価値が低下しているため、世界中の投資家は米ドルを売る傾向にあります。その変わりに手堅い資産として金を購入する動きが見られ、金価格の上昇につながっているのです。
また、金が米ドルで取引されていることから、円相場が円安ドル高になると日本国内での金の価格が上昇します。たとえば、金が1グラム当たり70ドルで取引された場合、円相場が1ドル=90円のときは6,300円、1ドル=145円のときは10,150円と、為替相場の影響を大きく受けるのです。
現在は、金融緩和により金利が非常に低い値で推移しています。そのため、債券を持っていても利息収入は微々たるもの。したがって、債券より価格が変動しにくい金の需要が高まっているようです。
金に投資しても利息はつきませんが、価格が安定しているため、リスク回避が可能に。そのため、債券を購入するよりも、資産価値として金のほうが安全だと思う人が増えているのです。
金に限らず、ものの価値は需要と供給のバランスが大きく関係しています。一般的に需要が高まり供給が少なくなれば価値が上昇し、需要が減り供給過多になると価値が下がる傾向にあり、金も例外ではありません。
近年、金はパソコンやスマートフォンなど、小型家電の電子回路にも使用されています。いまやスマートフォンやタブレットは、1人1台が当たり前。変わるものが見つからないかぎり、金の需要は高まり続けることでしょう。
投資目的以外に、工業用としての需要が高まったことが、金の価格を上昇させた理由のひとつになっているようです。
これまで金は資産として購入されてきましたが、現在は株式や債券に変わる投資対象のひとつになっています。株式は企業の破綻により価値がなくなるリスクがありますが、埋蔵量に限りがある金は、価値がゼロになることはありません。さらに、経年劣化による価格低下もないため、安心感の高い投資対象として注目が集まっているという現状があります。
金は埋蔵量に限りがある金属です。今はまだ、年間4,500トン程度採掘されていますが、現在の技術では20年以内に枯渇するといわれています。採れなくなる可能性があるのに、金の需要は伸びる一方のため、金相場は今後もアップし続けやすいと考えられるでしょう。
いつ収束するか分からないコロナ禍が続いたことも、金の需要を高めた要因のひとつになっています。外出が制限されたコロナ禍は消費が落ち込み、多くの企業に影響を与えました。経済の悪化が株式や現金への不信感につながり、価値が下がりにくい金に投資家の関心が集まったことも金相場上昇の一因です。
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金の価格が上昇した理由を説明しましたが、下がる可能性もあります。では、金の価値が下がるタイミングにはどのようなことが影響しているのでしょうか。
社会情勢に対する不安が落ち着けば、金相場も下がる可能性が高いでしょう。戦争が終わった、金融不安が緩和するなど、不透明だった問題が解決に向かえば、金よりも利益が出やすい株式や債券への投資が再び増加します。すると金の需要は落ちるため、価格も下落する結果に。しかし、金は実物資産であり価値が消えることはないため、「安全資産」として認識しておくことが大切です。
金の価格は低金利になると上がり、高金利になると下がる、逆相関だといわれています。高金利になれば、銀行にお金を預けるだけで多くの利益を得られるため、金利がつかない金への投資は、不利と判断。金の魅力が薄れて需要が落ちるため、金価格も下がってしまうのです。特に金は米ドルで取引されるため、アメリカの金利状況が鍵になります。
金は限りある資源とされ、現在の採掘技術では20年後には枯渇するといわれています。しかし、採掘技術の向上や、新たに金鉱脈が発見されるなど、採掘量が大幅にアップする見込みもゼロではありません。希少性が高いと思われていた金の流通量が増えれば、自ずと金の価格も下落傾向になります。
しかし、金の採掘は非常にコストがかかるため、頭打ちになっている現状があります。新たな技術が開発されても、コスト的な問題で流通量が増えないことも。新しく発見される金鉱脈は、海底など掘り出しにくい場所である可能性が高いため、急に流通量が増えることはほぼないと考えてよいでしょう。
つぎは、今後の金相場の動向について解説します。現在、金を保有している人にとって、金価格は今がピークなのか、今後どうなるのか気になるところですよね。10年後、20年後の金価格が気になる人は参考にしてください。
金の価格は戦争や天災による影響を受けにくく、むしろ不安定な社会情勢下では下落しがちな株価や通貨と対照的に価格が上昇します。近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢の影響で金の価格が高騰しました。しかし、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり、ウクライナ情勢も近い将来落ち着いたとしたら、金の価格が短期的に急落することも考えられます。
現在の金価格は上昇傾向のまま推移していますが、アップしすぎている現状も否めません。戦争や新型コロナウイルス感染症だけでなく、アメリカの銀行破綻など社会情勢不安は、いずれは落ち着きます。さらに、低金利政策が終わり米ドルの信用が復活すれば、急激に金価格が下落する可能性もあるでしょう。
いつ経済が安定するかは分かりませんが、今の上昇率が永遠には続かないことを念頭に置いておくことが大切です。
短期的に見れば下落する可能性のある金ですが、長期的な視点では上昇傾向が続くとも考えられています。その理由は、金が採掘量に限りがある金属だからです。さらに、工業用としての需要も現状では途絶えることはないでしょう。
今後の金価格の推移を予想するときは、10年、20年、100年後をも見据えることも忘れないようにしてください。
金の価格が最高値を更新し続けているからこそ、金を売るタイミングが分からないという人も多いのではないでしょうか。
金を少しでも高く買取してもらいたいと思うなら、タイミングを逃さないことが大切です。金相場の予測は難しいので、ある程度余裕を持ってタイミングを見計らうようにしましょう。
一般的に金相場は株価と関連しているといわれ、株価が上昇すると金相場が下がり、株価が下落するにつれ金相場が上がる傾向にあります。金を高く売るためには、金相場の変動だけでなく、株価や為替、経済ニュースといった広い視野でチェックするのがおすすめです。
金は日々価格が変動し、保証されていないからこそ、高値がついているうちに売るのが賢明。金を売るかどうか迷っているなら、査定だけでも利用してみてはいかがでしょうか。現在の価値を知っておくことは、売却の際の目安にもなるはずです。
金を売却するなら、できるだけ高く売りたいと思いますよね。相場が高いときに売る以外に、誰でもできるポイントをご紹介しますので参考にしてください。
金に限ったことではありませんが、買取の査定に出す場合はできるだけきれいな状態にしておきましょう。特にコレクションが目的のジュエリーや金貨など、汚れやキズが買取価格に影響することも。
金製品の表面の汚れは、やわらかい布や専用のクリーナーで落とすことができます。ただし、研磨すると逆にキズをつけてしまうこともあるので、特に宝石がついているジュエリーなどは注意しましょう。
金製品を複数持っている場合は、まとめて査定に出すことで高く買取してもらえることがあります。複数まとめての査定ということで買取価格が少し高くなったり、手数料が割引されたりといったサービスがある店舗も。サービス内容は店舗によって異なるため、事前にホームページで確認してみましょう。
金を高く売るためには、金の価値を適切に査定できる買取専門店を利用することが大切です。金の相場は日々変動しているため、最新の情報や将来の見通しを踏まえて査定しなければなりません。さらに、金製品の純度や重量、サイズなどを総合的に判断して適正な価格をつけるとなると、豊富な経験と知識が必要です。
個人でネットオークションなどに出品する方法もありますが、売り時を逃して損をする可能性があるため避けたほうが無難でしょう。金の価値を適正に査定できる、経験豊富な鑑定士が在籍している買取専門店を利用するのがおすすめです。
金のジュエリーを査定に出す場合は、購入時についてきたジュエリーケースや鑑定書などの付属品も一緒に持参しましょう。刻印がある資産用のインゴットも、購入時の伝票がある場合は持参します。
そのアイテムの価値を証明する付属品や書面があると、査定に時間がかからない上に適正な価格をつけやすいため、より高額で買取してもらえるかもしれません。
金を売る時の注意点は6つ!税金や買取専門店の選び方なども徹底解説
エコリングでは、金や貴金属を高価買取中です。リユース業界で長く金や貴金属の鑑定を行ってきた、経験豊富な鑑定士が多数在籍しています。確かな目で金製品を査定することで、適正価格での査定・高価買取を実現。
また、エコリングでは状態が悪くても高価買取の実績があります。なぜなら、独自のメンテナンス技術を持ったマイスターコンシェルジュによって、状態が悪い金製品でもオリジナルに限りなく近い状態まで再現できるため。もちろん査定は無料で行っているので、他社で買取を断られたり価格に納得がいかなかったりした金製品も、ぜひ一度査定に出してみてください。
金の価格というものは、今回紹介した推移のように、たった10年の間にも世界情勢や経済状況によって大きく変動する可能性があります。金が高い値をつけている今は、金製品の売り時といっても過言ではないでしょう。家に使わなくなった金のジュエリーや、金貨などは眠っていませんか?もしも売却を考えているなら、どれくらいで売れるのか一度査定だけでも利用してみてはいかがでしょうか。
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